空を見上げる機会を増やして気分を向上させませんか?

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夏って一番空を見上げる機会が多くないですか?

「暑いな~」と言いながら汗を拭い思わず眩しい顔をしたら空を見ますね。

ドラマの見過ぎですかね。でも、思い当たる方もいるのではないでしょうか。

そこで、私は真夏の空を見上げて、ふっと思ったんです。

「面白い形じゃね?」

「雲ってどうしてこんな形になるんだろ?」

「どんだけ種類があるのかな?」

と、こんな疑問が芽生え調べてみました。

雲の種類は大きく分けて10種類(十種雲形)も!?

すべての雲はほぼ10種類のうちのどれかに分類することができるんだそうです。

しかし、10種類の名前覚えるなんて無理無理!と思った人いませんか?はい、私です。

そんな方は、名前の漢字に意味があるので、事前に頭に入れておくと少し覚えやすいかもしれませんよ。

巻(けん):上層 500013000m【上層雲】

高(こう):中層 20007000m【中層雲】

層(そう):安定/低層

積(せき):乱れ/かたまり

乱(らん):雨降り

正式名(ひらがな):通称

1.巻雲(けんうん):すじぐも

撮影:伊東市 伊東マリンタウン

もっとも高いところに現れる雲のひとつで、ハケでさっと描いたような形は、氷(氷晶)が落下しながら風に流されているためだそうです。

高度が高いため気温はマイナス40℃以下だから雲は氷(氷晶)の状態です。氷晶は水よりも光をよく反射するため、太陽の位置が低い時間帯は、太陽光が下部に反射して、明るく光って見えるそうです。

2.巻積雲(けんせきうん):うろこぐも、いわしぐも

撮影:下田市 吉佐美大浜

うろこのようにな状で規則正しく並んだ雲の形状は、「うろこぐも」または「いわしぐも」という呼ばれています。

3.巻層雲(けんそううん):うすぐも

撮影:伊東市 汐吹海岸

「うすぐも」と呼ばれ、空全体にうすく広がる雲。太陽や月のまわりに「かさ」をつくるのはこの雲です。低気圧や温暖前線が近づくと現れることが多く、天候が悪化する前兆とされていますのでお出かけの際は注意しましょう。

4.高積雲(こうせきうん):ひつじぐも

撮影:FIJI NADI

先に紹介した巻積雲(うろこぐも)に似ていますが、うろこよりも大きく、羊の群れのように見えることから「ひつじぐも」と呼ばれる雲です。

5.高層雲(こうそううん):おぼろぐも

撮影:伊東市 一碧湖

空全体を広く覆う、モヤッとした雲です。前述の巻層雲(うすぐも)との違いは、太陽の光をあまり通さずに太陽の位置がおぼろげに分かるため「おぼろぐも」とも呼ばれます。

雲の中は、多くは氷ではなく水滴が浮遊しているためときおり雨を降らせます。

6.乱層雲(らんそううん):あまぐも

濃い灰色で重苦しく、雨を降らせる雲です。太陽の光をさえぎルため地上は暗くなります。

温暖前線や低気圧の接近によって湿った空気がつくる雲で、風の流れにより刻一刻と形を変えていきます。

7.層積雲(そうせきうん):うねぐも、くもりぐも

撮影:伊東市 城ヶ崎

これといって特徴なく形をどんどん変える暗い色の雲。

形が変わるのは、高度が低いため地上の風や地形の影響を受けやすく、大きなかたまりが群れになりますが、高積雲(ひつじぐも)のようには雲の端がはっきりせず、ちぎれたようになります。

雲の切れ間から太陽の光が差し込むと、映画や絵画に出てくるような「天使のはしご」が見られることのが特徴です。

8.層雲(そううん):きりぐも

地上近くに細かな水滴が漂っている雲。発生のメカニズム的には霧(きり)とほぼ同じです。

その定義の違いはというと、地表から少し離れていると層雲、地表に達すると霧と呼ばれるんですね。

湿気を多量に含んだ空気が地表付近で急に冷やされることで現れ、谷や盆地を覆うこともあります。それを高いところから眺めると「雲海」にもなります。

9.積雲(せきうん):わたぐも

撮影:伊東市 伊豆高原

綿菓子のような雲です。上部に向かってはモコモコと発達しますが、下部(雲底)の高さがそろうのが特徴です。

この積雲がくっついたりして大きく成長すると「雄大積雲(ゆうだいせきうん)」となり、積乱雲にそっくりになってくるそです。

10.積乱雲(せきらんうん):にゅうどうぐも

もっともよく名前を聞く雲ですね。蒸し暑い夏の午後に激しい雨を降らせる、別名“入道雲”です。かみなりぐもとも呼ばれています。

上層、中層、下層のいずれにも分類されず、地表近くから上にむくむくと発達していきます。ときには高度1mを超えることも。ただし、1mあたり(対流圏と中間圏の境界)に達すると、まるで天井にぶつかったように平らになって、横に広がる特徴があります。

積乱雲の内部では上昇流と下降流が入り乱れていて、空気や水滴がこすれ合い、電気がたまり放電したものが雷です。

※もう少し詳しくなりたい方にはこちら。

珍しい雲の種類

十種雲形は、一番大まかな分類で雲の性質や形状からもっと細かい分類があるそうです。

そんな細かい分類の中には、珍しい雲があります。

レンズ雲

まるで巨大なUFOみたい!レンズを横から見たときのように、中央が厚く両端が薄い形状から、レンズ雲と呼ばれています。

この雲が生まれる条件はというと、上空の強い風が要因で、風が山など何かにぶつかることで上昇気流となって局地的に雲が生まれ、輪郭のはっきりした雲となります。

こういった風が作った芸術なので、どんどん姿を変えしばらく同じところに出続けます。

高い山の山頂付近でできることも多く、その場合は「笠雲」と呼ばれています。

穴あき雲

撮影:伊東市 伊豆高原

巻積雲(うろこぐも)や高積雲(ひつじぐも)に、ぽっかりと穴があいた雲です。

穴の中に、細い尾っぽが風にたなびく「尾流雲(びりゅううん)」が生まれるのが特徴。

この雲ができる原因は、雲の中の、水蒸気から氷への変化した状況です。

マイナス数十度でも凍らずに空中を漂っていた「過冷却」の小さな水の粒が、目に見えないほどの小さなホコリにぶつかるなど、なんらかのショックで突然凍り始めます。

ひとつが凍り始めると、周りの水蒸気とどんどん合体して氷晶として成長します。いわゆる雪の赤ちゃん。

水蒸気を吸い寄せたぶんだけ、空気が乾燥してぽっかりと穴があき、大きくなった氷晶は、尾流雲になって落下しながら風に流されていきます。

生まれた雪は地上まで降ってくるの?というと、気温などにもよりますが、ほとんどが空中で蒸発してしまうそうです。

毎日同じ空はありませんので雲に詳しくなると、空を見上げて歩く機会も増え、自然と気分も前向きになります。

もしかしたら、誰よりも早く素敵な虹を見つける事が出来て得した気分になるかも…。

撮影:伊東市 APITA

さらに詳しく雲について探求したいというたは、こちらの本が良いですよ。

【参考文献】
池田圭一『図説 空と雲の不思議 きれいな空・すごい雲を科学する』秀和システム、2017


理系のフリーランス・ライター/エディター 。天文や宇宙、大気光学、気象、生物、化石鉱物などサイエンスに詳しく、IT分野の執筆も手掛ける。著書多数。