バイクのセルを回す時には大きな電力が必要となります。その際、バッテリーが弱っていたり、上がってしまうとセルが回らない、つまりエンジンが掛からないという事態になります。
バッテリーの上がる原因はいくつかありますが、主に長期間バイクに乗らないことによる自然放電が原因となることが多いようです。
また、最近のバイクはETCやUSBポート、盗難防止アラームなど昔のバイクに比べて、バッテリーの電力をたくさん使います。一般的なバイクでは、走行する事でジェネレーター(オルタネーター)が電気を発電しバッテリーに戻されますので、定期的にバイクを走らせることでバッテリーに電気を安定的に供給してくれています。
基本的にはバッテリーの寿命が原因でなければ、充電をする事でバッテリーは回復します。普段からマメに補充電しておくことで、バッテリーの寿命を延ばし、不安の無いバイクライフを楽しみましょう。
それでは早速バッテリーを外さずに充電する手順をご紹介します。
バッテリーの充電は難しくない作業ですが、手順を知らないと思わぬトラブルが起こる危険性がありますので、以下の手順を守り正しく充電しましょう。
バッテリーの収納カバーを外します。
ドライバーなどを使用してバッテリーの収納カバーを取り外します。外したビスなどが無くならないように、また付いて場所などが分からなくならないように注意しましょう。
マイナス端子からケーブルを外します。
バッテリー端子の配線を外すときはまず、マイナス端子(黒)の配線を外してから、プラス端子(赤)の配線を外してください。
ここで、なぜマイナス端子(黒)の配線から先に外すの?と疑問を持たれた方、または、しっかり覚えたい方のために少し解説します。
学生の頃、電気の授業で乾電池に豆電球をつなげ、「電気はプラスから流れ、離れた豆電球を通りマイナスへ流れていきます」と習ったことを覚えていますか?
バイク原理も一緒でバッテリーのプラスから出た電気が、スイッチを通って部品(例えばヘッドライトなど)に行き、その電気がマイナス極に戻ってきます。この戻ってくる電気のマイナス側通路をバイクの場合は、なんとバイクのフレームが担っているんです(稀にプラス側がアースの車両もあります)。
では、電気が通らないようにするには?というと、プラス側から出た配線がマイナス側まで達していなければ、電気は流れ無くなります。なので、戻る通路を先に外す必要があり、マイナス端子(黒)の配線を先に外すんですね。
それでは、逆にマイナス端子がバッテリーに取り付けてあるままの状態で、プラス端子を外そうとするとどうなるでしょうか?
例えば工具(ドライバーやスパナレンチなど)がプラス端子に触れて いる状態で工具を回して、フレームなどの金属部分に接触すると、電流が直接工具を通りショートしてヒューズが飛んだり、スパークして火傷をしたする原因となるんです。
また、マイナス端子とプラス端子に同時に工具(スパナレンチやメガネレンチは特に注意が必要です)が接触してしまうと、工具に大電流が流れて、工具は熱で熱くなり、溶着しようとして外せなくなるためとても危険です。
このように外す際は順番が大切だということがわかっていただけたと思います。ですので「外すときはマイナスから」また、取り外しとは逆に「付けるときはプラスから」という事も一緒に覚えておきましょう!
プラス端子のケーブルを外します。
マイナス端子が無事に外せたら、次にプラス端子のケーブルを外します。このとき、外したマイナス側の端子がバッテリーの端子(プラス・マイナス双方)に触れないように注意してください。接触すると先にご説明した理由からショートする恐れがあります。
バッテリーに車両ケーブルコードを取り付けます。
車両ケーブルを先ずはプラス端子(赤)に取り付けます。先に記載しました、「付けるときはプラスから」ですね。そして次にマイナス端子(黒)に取り付けます。この時ナットは根元まできつく閉めてください。緩いと放電の原因になることがありますのでご注意ください。
また、写真のようにナットがボルトと離れているバッテリー端子の場合は、細めの工具などでナットを持ち上げてからボルトを閉めて下さい。
コードをバッテリースペースに収納します。
車両ケーブルのコードなどが収納カバーに挟まれて断線しないように収納します。その際、結束バンドなどを使用してコードをまとめても良いでしょう。
車両ケーブルの先端を外に出します。
収納カバーで塞ぐ前に、車両ケーブルの先端を外に出します。バイク内部の構造によって変わってきますが、内部のパーツに干渉しないように余裕のあるスペースを通すようにして下さい。
バッテリーの収納カバーを取り付けます。
最後にバッテリーの収納カバーを取り付けて準備完了です。車両ケーブルの先端キャップは安全のため充電する時以外は閉めておいて下さい。充電の際はキャップを外して、端子を接続すればバッテリーに充電することができます。
充電器のスイッチを入れて充電を開始します。
バッテリー充電器を車両ケーブルに正しく接続して、充電器のスイッチを入れて充電を開始します。充電器の取り扱いや充電時間に関しては、説明書をよく読みんで行なってください。
最後に注意点
普通充電を行う充電機であれば外さなくても大丈夫ですが、付けっ放しはバッテリー自体に良くないので時間の管理はされて下さい。急速充電器は絶対に配線を付けた状態では接続しないでください。急速充電器は短時間で急速に充電を行う様な構造になっていますので、バッテリーの通常電圧以上の電圧を掛けますのでご注意下さい。
今回取り付けたバッテリー充電器はコチラ。
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